いい加減に高みを目指す

ぼくは実にいい加減な人間です。
何か一つのことをこつこつと続けてやるというようなことができません。
そのときそのときの思いつきでの行き当たりばったりの人生をかれこれ半世紀も続けてきてしまいました。


そういういい加減な人間ではあるのですが、この二十年ほどの間、思い出したり忘れたりを繰り返しながらも、ある種の悟りを求めてジタバタしてきた、そういう経験があり、その経験の中には他の人の目から見ても多少なりと意味があるものもあるのではないかと考えるようになりました。


そんなわけでこのサイトでは、この世界というものになんだか違和感を感じてしまって、心理学やら運動やら宗教やら、いろんなものに足を突っ込んではみるけれど、結局どこにも落ち着く場所が見あたらず、十年一日のようにふらふらとした暮らしを続けながらも、ひょっとしたらいつかは悟りと呼んでもいいような高みに辿り着くことができるんじゃないかという淡い希望を抱きつつ、日々いい加減に生きている、そんなわたしの暮らしぶりや考えていることを、高みを目指すその眼差しのもとに書いていきたいと思うのです。


[今日の一冊]
タデウス・ゴラス「なまけ者のさとり方」
(山川紘矢・亜希子訳、地湧社、1984年)

二十代の後半、会社勤めをやめたあとで出会った、なかなか印象深い本です。
特別な修行などしなくても、ちょっとした意識の持ち方次第で経験の質を変えることができるということが、分りやすい例え話を交えて書かれた面白い本です。
この本についてはそのうちじっくり書ければと思います。